うっすら涙を浮かべ、笑う親父。 …こっちまでつられて笑ってしまうじゃねーか…。 俺は口を手の甲で隠し、笑いを止める。 「…私は母さんをちゃんと幸せに出来なかったが、翔は千春さんを幸せに出来るか?」 笑うのを止め、親父はそう呟く。 その質問に俺はため息をついた。 「当たり前な事を聞かないで。──幸せにしてみせるよ、絶対に」 俺も親父と同じ、いつも以上に真剣な表情で言った。 今の言葉に嘘、偽り、ひとつもない。