「泣かせてるかも…」
俺は俯きながら親父に言うと、親父は口を開き、思いっきり笑った。
「アハハ!母さんの言ったこと合ってるな!
……話変わるが、圭介にやらせたことは本当に悪かったと思ってる。
少し、危機感を持たせてやってくれとお願いしたらまさかあそこまでやるなんて。私の見込み違いだったよ」
圭介…。
この名前を聞くと、胸の底から怒りが沸いてきそうになる。
「それは千春に直接謝ってくれよ、絶対。…いや、今までのこと全部。親父のせいで千春は仕事もやめて、家族にも会えなくて外にも出れなくて辛い思いをしたんだから」
謝っても許されることではないが、形だけでもきちんと千春に謝ってほしい。
親父の口から。


