車の中に気まずい雰囲気が漂っている。


只でさえさっき色々とあったばかりというのに。


俺は深いため息をつく。


…これで何回目だろうか。


「着きましたよ」


ブレーキ音と共に車が静かに止まった。


真島が親父の方のドアを開けているときに、反対側から俺はドアを開けて出る。


…げ。


一緒に飲むだけというのに、一流クラブを予約しやがった糞親父…。


当然、中は貸しきりか…。


また俺は深いため息をついた。