「………え?」


今やっと理解したようで、翔君は私に問い返す。


問い返されても逆に困ってしまう。


「………え?」


そして逆に聞き返してしまった。


また部屋に沈黙が走る。


なんか…しらけちゃったかな。


自分の発言に後悔していると、翔君が私をゆっくり抱き締めた。


ドキンと心臓が跳ねる。


「翔君…?」


「…ありがとう。千春が勇気を出してそう言ってくれたのは凄く嬉しいよ…。だけど…


明日の契約が終わってからにしたい…。そういう記念の日は千春が自由になってからで」


そう言い、翔君は私の髪を撫で微笑みながら言った。