私は慌てて唇を離した。 初めて触られた恥ずかしさと驚きに翔君を見つめる。 翔君はハッと我に返ったらしく目を見開く。 そして呟く。 「ごめん…。歯止めが効かなかった…」 本当に申し訳なさそうに謝る翔君に私まで罪悪感でいっぱいになる。 ──大丈夫だよ。 私、翔君となら全然いいよ。 逆に幸せなくらいだもん。 こうやってお互いに愛せるような関係になれただけでも幸せだから。 だから──…。