もちろん勘づいていた。

何故なら明日は俺の誕生日。


しきたりの期限が迫ってきたから。


「もしもし」

『翔、久しぶりだな』


久しぶりに聞くこいつの声に嫌気がさす。


「……親父」

『その声だと気づいてるみたいだな。私が連絡した理由を』

「………」

『お前に命令だ。明日の始発便で日本へ帰ってこい』

「は?」

『拒否権は無いからな。もう航空会社には連絡してあるからな。貸し切りにしてやっただけでも感謝しろ』

「誰も頼んでない」

『…いいから帰ってこい。待ってるからな。…ガチャ、プー』


俺が何も言わない内に切りやがった。