何回もため息をつく俺に昇が不思議そうに俺を見る。


「何かあったのか?」


客に頼まれた物を持っていってカウンターに戻ってきた瞬間、昇が口を開く。


心配をしてくれている昇に俺はゆっくり左右に振った。


…昇には未だに千春と同居していることも、付き合ってることも言ってない。


タイミングを逃してしまったのもあるが、この事は簡単に話して良いことではないからだ。