「……今日はもう帰るから。社長には千春が調子悪かったから明日に診察を回したって言っとく」 そう言ってすぅちゃんは自分の白衣と荷物を持って、家を出ていった。 部屋に残ったのは私と翔君と微かなすぅちゃんの匂いだけ。 …もう何が何だかわからないや…。 急に体に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちる。 翔君は私の行動に慌てて自分もしゃがみ込んだ。 「…大丈夫か」 「ねぇ、翔君。翔君とすぅちゃんは昔から知り合いだったの…?」 翔君の目を見て、真剣に問う。