翔君が忘れ物をするなんて珍しい。 私は翔君に駆け寄ろうと足を一歩前に出した瞬間、翔君はソファーの方を向き、目を見開いた。 翔君の目線の先にはタオルで汗を拭いているすぅちゃんの姿。 …あ、すぅちゃんと会うの初めてだもんね、翔君。 ビックリしているのかな、と解釈をし、すぅちゃんの説明をしようと口を開いた時、翔君の口から耳を疑う発言が飛び出した。 「………楓か?」