俺は笑顔なしで千春を見つめる。
千春の黒い瞳に俺が写っているのを見て、心臓が跳ねた。
そして言ってしまった──。
「俺…千春のこと好きかもしれない」
俺の中の決断の内容を──。
俺の突然の発言に千春は理解をしてないのか、ポカンとしている。
口からよだれだ出てしまいそうな位口を開いている千春。
理解をしていない千春に、俺は理解をしてもらうために経緯を話始めた。
「俺、正直言って女が嫌いだ。ウザイ生き物としてしか見ていなかった。…千春と出会うまでは」
千春はポカンと開けていた口を閉めて、俺を真っ直ぐに見つめる。
「千春と居ると、ウザイって思うよりもっと一緒に居たいと思う。男に襲われてる千春を見て、あの男を殺したくもなった。…千春がほっとけないんだ…」


