…少し、やり過ぎてしまったか。
──千春のことが好きだと自覚してからは歯止めが効かない。
「…ごめん」
思いっきり息を吸い込んでいる千春に、俺は小さく頭を下げて謝った。
そんな俺に千春はまだ顔を真っ赤にし、両手をブンブンと降りながら答える。
「…ううんっ!大丈夫…!」
千春は下を向き、笑顔で言う。
何かを気にして恥ずかしがっている様子だ。
…少し落ち着いただろうか。
俺のせいで千春をこんな目に逢わせてしまって…。
「助けに行くのも遅くなったし…」
謝ることしかできない。
「それは翔君悪くないよ。私が悪いの。逃げ切れなかった私が…」
真剣に俺に言う千春に、俺は首を左右に振った。
「違う…。俺が悪いんだ」
──全部俺が悪いんだ…。
最初から、千春をこんな監獄みたいな所に連れてきて私情に捲き込んでしまって…。
「…怖い思いさせて…ごめん」
涙を溜めて真っ赤にした瞳を見ると、やっぱり俺の胸の中がズキッと痛む。


