同居の秘密。【完】



その笑顔が苦しそうで…。


手首を見てみると、カタカタと小刻みに震えていた。

目を真っ赤にして、俺を見つめる。


「…翔…君、助けて…くれて、ありがと、う…ね…」


千春の声が震えている。

お礼を言われてる時にも歯が当たる音さえも聞こえた。


…千春の受けた苦しみは俺が思ってる以上だった事を物語っている。

だから、今俺に出来ること。


それは千春をこの部屋から連れ出すことだ。