「…っ大丈夫か!?」 千春の手首を縛っている縄をほどきながら俺は言う。 縄は結構頑丈に結ばれており、外し終えると千春の手首にはくっきりと縄の後が残っていた。 内出血もしていて、本当に抵抗したんだ、とわかる。 千春の手首を見て、胸が凄く痛む。 …俺のせいで千春がこんな目に─。 そう思うと、千春の後ろ姿が痛々しく見えた。 「……うん、なんとか…」 へへ、と自分の手首を擦りながら千春は笑う。