俺は今の男の言葉に、出ていくあいつを追うことさえも出来なかった。 男の言葉が頭の中を駆け巡り、冷や汗が流れる。 …そうか、あいつは千春の元カレで、親父は元カレを利用して俺に警告したって訳か。 そう思うと怒りが爆発して、壁を殴ってしまった。 そんなに力は入れてないはずが、思いっきりへこんでいる。 突然壁を殴った俺を見て、また千春は肩を震わせていた。 ハッ、と気がつき、俺は千春に駆け寄る。