千春には刺激が強すぎたのだろうか。
さっきよりも顔を青くして俺達を見ている。
千春の元へ駆け寄ろうとした時、男がその場に血を吐きながら立ち上がった。
「いってぇ。あんまりカリカリすんなよ」
ヘラヘラとまだ笑う男に俺は少しゾッとした。
そして俺に近付いてくる。
もし、このまま逃げるつもりなら俺は意地でも捕まえてやろうとジッと構えてたが、俺の隣で止まる男。
すると、突然、耳に顔を近付けて何かを呟いてきた。
「…これは社長からの警告だ。
これ以上待つことは出来ない。千春をこんな目に遭わせたのはお前のせいだ、と社長は言っていた。…久し振りの千春とのキスは気持ち良かったよ」
そう言い残し、男は部屋から出ていった。


