────遅い。


7時過ぎに仕事から帰ってきて、今の時刻は22時前。


珍しく早く帰ってきたのだが、部屋には千春の姿はなかった。


最初は地下にプールや美容室に行ってるのかと思ってたが、流石にこの時刻になると心配になる。

電話も繋がらない。


昨日の夜、千春の様子が少し変だったからこっそり千春の携帯を千春の服に潜ませといた。


音をサイレントにはしてないから電話には気付くはずなんだが…。


俺は地下に行ってみることにし、玄関のドアを開けた。

開けた瞬間、見慣れた姿が居ることに気づいた。


「波留…」


何かを物語った目をしながら俺の前に立っている。


何故ここに波留が…。