…あ~~もう…。

何やってんだ…、俺。

こんなに千春を怖がらさせて馬鹿じゃねぇの。


「……ごめんね…」

俺が謝る前に千春が先に謝ってきた。

目にいっぱいの涙を溜めて──。


そしてとぼとぼ歩きながらキッチンへと戻っていった。


キッチンはリビングから死角で見えない。が、時々、鼻を啜る音が微かに聞こえる。


そんなにも怖がらせてしまったのか……。


俺はソファーから立ち上がり、キッチンへ向かった。