口の回りに付いたコーヒーをナプキンで拭きながら聞く。


「あるに決まってるじゃん!千春ちゃんみたいに可愛いと、お客さんからデートのお誘いとか、食事のお誘いとか来るかもしれないんだし」


「すみません~」


客に呼ばれ、昇は『は~い』と元気に返事をし、行ってしまった。


俺は今、昇が言ってたことを思い出す。


“デートのお誘いとか”
“食事のお誘いとか”


…千春は知らない男に誘われて着いていくやつなのか…。


いや、あの天然な馬鹿さならあり得る…。