「お前達がきっと満足出来る部屋だ。これが鍵だ。あと、これに規則が書いてある。守らなければ…わかってるな」
そう言って渡されたのが、普通じゃない形の鍵と、1センチくらいの厚さのノート。
ノートさえ高級そうだ。
「真島」
「はい」
おじさんが誰かの名前を呼ぶと、隅から人が出てきた。
ここに来てからビックリすることばかりだ。
真島(マシマ)と言う人はスーツを着た、30代くらいの男の人だった。
「この2人を部屋へ連れていけ」
「かしこまりました、社長。…お2人様、参りましょう」
真島がそう言い、扉を開ける。
男の人はスタスタと早足で部屋から出ていってしまった。
私はおじさんを睨んで部屋を出た。
おじさんが不気味に笑っていたとも知らずに─…。


