私が否定する前に翔君が真顔で即座に否定した。 「違う」 …。 そんな迷惑そうに否定しなくても…。 壁に頭を付けて落ち込む。 ガッカリしている私に気付いた男の人は鼻で笑う。 「今日はどうする?あ、そこの彼女、俺は翔の幼なじみの富高 昇と言うんだ。昇って呼んで♪」 富高 昇(トミタカノボル)…さん、か。 昇さんはカウンターで飲み物を作りながら笑顔で言ってきた。 …本当にいい人そう。 翔君が何故、心を開いているのかがわかる。