しばらく俯いていると、翔君がテーブルに昼食の乗ったトレイを置いていた。 「あ…お帰りなさい…」 「あぁ、…てか何で立ってんの?」 …さっき、翔君を見つけて呼ぼうとして立ってしまったなんて言えない。 言ってしまったらさっきの事を思い出してしまい涙が出てしまいそうだから…。 慌てて私はイスに座る。 「人混み大丈夫だった?」 「…多分、もう行かない」 下を向きながら言う翔君。 それほど人混みが辛かったのだろう。 「あはは、次は私が行くね」 その姿があまりにも可愛くて笑ってしまった。