車から降り、波留さんに何かを渡された。 渡された物を見ると、小さなカード入れに入ったパスだ。 「これって…」 私がそう呟くと、波留さんは即座に説明に入る。 「こちらを乗り物に乗るときに見せれば優遇されます。どうぞ、楽しんできてください」 綺麗にお辞儀する波留さん。 私は翔君の上着を引っ張った。 「行こう!翔君!」 きっと楽しいよ、翔君─…。