「御2人様、どうぞ」 波留さんが車のドアを開けて待っていた。 私は嬉しくて波留さんに駆け寄る。 「波留さん!おはようございます」 「千春様、おはようございます。昨晩は良く眠れましたか?」 他人行儀の波留さん。 私はそんな波留さんを見て心が痛んでしまった。 …そっか。 翔君の前だから素を出せないんだ…。 私は大丈夫だと思うのになぁ…。 翔君ならきっと解ってくれるのに…、私はそう思う。