8時頃、家に帰ると千春が食器を洗っていた。


水を止め、俺に駆け寄る。


「翔君、お帰りなさい」


ふんわりとした優しい笑顔で俺に笑いかける千春。


「ただいま。今日、寒い」

それに俺も答える。


俺がそう言うと、千春は目をパチパチさせながら『紅茶淹れる?』と聞いてきた。


俺はお願いと、返事をしようとしたが、テーブルに置いてあるものに目が付く。


「何これ」