「波留の家系は執事とか付き人とかを仕事とする一族だから、若く付き人になるのは珍しくない」


私の心を読むかのように翔君は説明してくれた。


…さすが、世界が違う。


ポカンとしてると、いきなり、翔君のでこぴんが飛んできた。

あまりに突然で『あだ!』と気持ち悪い声が出てしまう。


「何するの~!」

涙目で翔君に言うと、翔君は笑いながら答えた。


「さっき気づかない内に敬語使ってたから」

「……」

おでこを押さえながら翔君を睨むと、また翔君は笑う。


…その笑顔反則だよ。