「……てか、波留が来たのか?」

一旦、手を止め翔君は私を見つめながら聞く。


問いに私は頷く。

「うん。昼くらいかな。翔君の付き人さんなんだね」


約束をした性格のことは言わなかった。


「…形的には」

「形って?」


「付き人って言っても、もう俺は大人だし居ても居なくてもかわらない。まぁ、小さい頃からの付き合いだから気は許せるんだけどな」


無表情で言う翔君だが、表情がさっきより和やかだ。


…きっと、波留さんの事が好きなんだなぁ…。