近づくに連れて、手招きをしてる人の顔が見えてきた。
何歳だろうか。
40代後半くらいの歳のおじさんが座っていた。
机の上に乗ってるプレートには【社長】と書いてある。
このおじさんが大手企業の社長…。
私はまた息を飲んだ。
「私に…何の用ですか…?」
息が緊張して上がってしまう。
こんな凄い人の所に何故私は行かされたのか。
「だからそんな緊張しなくていい。…だが、これから言うことをお前達に聞いてほしい」
…“達”?
私は首を傾げながら横を振り向くと、さっきの男の人が立っていた。
黒いスーツで薄暗い部屋だったので、隣に居るなんて気づかなかった。


