顔だけを覗かせると、とても広い部屋があり、薄暗い。 金魚が入ってる水槽だけが不気味に輝いている。 「東原千春さん」 「は、はい!」 少し渋味がかかった声が耳へ入る。 私は慌てて中へ入り、扉を閉めた。 閉めたと同時に部屋に広がる緊張感。 私は息を飲んだ。 「そんなに緊張しないでくれ。まず、こちらへ」 薄暗い部屋で机の後ろに座ってる人が私に手招きをする。 私は警戒しながらその人へ近づいた。