同居の秘密。【完】



え…?先約??

私は小走りで社長室の扉の前まで行き、首を傾げる。

…ここからどうしようかな。


遠慮せずに中へ入るか、さっきの男の人が出てくるのを待つか、私は迷う。


うーんと、悩んでいると突然、どこからか声がした。


『東原千春さん。どうぞ、中へ入ってくれ』


「へ!?」

いきなりの声に心臓が跳ね上がる。

び、ビックリしたぁ。


心臓をバクバクさせながら、私は金色のドアノブに手を伸ばした。