「…で、でも翔君、少しでも食べないと薬飲めないよ」

「…い、らな…い」

「ダメ!飲まないと!」


いらないと一点張りの翔君に私は考える。


んー…。

「薬だけでも飲もうよ」

「や……だ…」


やだ?あぁ、そうか。



──翔君、薬苦手なんだ。


そうわかると、凄く可愛らしくなってくる。


翔君が子どもみたい。


「どうしたら飲んでくれる?」

「…………」


タオルを頭に乗せながら私は聞く。

黙るということは考えているのだろう。

そんな姿も可愛い。