そんな私にすぅちゃんは笑う。


「はいはい、怒らない怒らない。…そういう感じにもならないの?」


上品に紅茶を飲むすぅちゃんに少し見とれてしまった。

すぅちゃんが引き取られた所は、お義父さんが医者でお義母さんが議員で、お金持ちだった。


だから、すぅちゃんは私よりもずっとこういう世界、社交界に詳しい。


だから私のことが心配なんだろう。

昔、すぅちゃんが言ってた。

こういう世界は良いことがないって。


「ないよ!あるわけないよ…。翔君、忙しいし、女が嫌いだし」


自分で言ったのに胸が苦しい。


──何故?