「美味しい…。初めて飲んだ味だ」 「本当ですか!?…これ、お母さん直伝なんです。翔さんの口に合ってよかった…」 ホッと胸を撫で下ろす。 私もホットミルクを口に運んでると、翔さんが静かに口を開いた。 「あのさ…」 「……っはい」 喉を通る熱い飲み物に返事が少し遅れた。 「翔さんってやめてくれない…?」 気まずそうに言う翔さん。 私はハテナマークが頭に浮かぶ。 「何でですか?」 「呼び捨てでいい。…掟に書いてただろ?」 あ、そういえば。