「す、すみません!」

慌てて私はぶつかった本人に頭を下げる。


数秒後、頭を上げるとぶつかった本人はもう居なかった。


…え?いつの間に??


頭にハテナが浮かぶ。


…まぁ、いいや。


私は最上階へ向かうエレベーターを探した。


フロアは広いが、案外すぐ見つかった。


上から降りてくるエレベーターを待つ。

私の隣には顔は見ていないが、黒いスーツを着た、背の高い男の人がエレベーターを待っている。


社員…かな。

こんな遅くまでお疲れさまです、と心の中で思っていると、チンッと音と共にエレベーターが着いた。


私も男の人もそのエレベーターへ乗る。