モルヒネ

「ん?そいえば地面が割れたって言ってたなあ…。夢幻以外の能力は、あたし全然知らない。」

ボソ、と独り言を言った。


地面を割るんだから、地震とかを起こせる能力なのかな?
いやいや、人に危害を与えるのは裏の力だから…
うーん…


部屋をうろうろしていると、放送が流された。

『ベル・キッドマン様。至急一階マスタールームへいらして下さい。繰り返します―』

「もう、ゆっくり考えさせてもくれないんだから!!」

あたしは部屋を後にし、マスタールームとやらへ向かった。


ルクテン軍基地は案外広いので、簡単に部屋にはつかなかった。


「マスタールーム…あった!」

やっと見つけて、マスタールームへ入った。

「え…?」

「ベル…!良かった無事で!」

お父さんとお母さん、そしてキース、リー、リザがいた。


「お父さん!お母さん!」

あたしは走って、抱きついた。

良かった、ほんとに良かった。

「群青の剣の方が助けに来てくれたのよ。さすが、マリアナ帝国の盾ね…。」


お母さんは涙ながらに喋った。


「ベル。」

キースがあたしの所へ来た。

「助かったとはいえ、お前は能力者だ。また危険な事態になるかもしれない。」

「…うん。」


「だから、気を付けて生活しろ。」

「…え?あ、うん。」

そんなことを言われるとは思わず、びっくりした。

キースのことだから、田舎に引っ越せとか言うんじゃないかと思ったから。


「それじゃ、帰りましょう。」

「はい。…ありがとうございました…。」

あたしは群青の剣の背中に向かってお礼を言った。