天神学園高等部の奇怪な面々

やがて学園の校門を潜る頃。

「うにゃっ!」

校門の上から、黒猫がソフィアの肩に飛び乗る。

「きゃっ!」

驚いたように声を上げるソフィア。

「し、シー先輩…もうっ、驚かさないで下さいなっ」

困った顔をするソフィアを気にする風でもなく、シーは目を細めて彼女に頬擦りしたり、頬を舐めたり。

「はいはい、朝ご飯が欲しいんですのね。全くもう…ダイエットも考えずに甘いものばかり食べれて羨ましいですわ」

そう言ってお菓子ポーチから小さな包みを取り出すソフィア。

ドイツの名門菓子工房、『ベッケン・モーツァルト』のシナモンクッキーだ。

包みを開封し、シーの口元までクッキーを寄せてやる。

ハグッとクッキーを口にして、彼は幸せそうに咀嚼した。

こちらまで頬が緩んでしまうような表情。

と。

「あら?」

その拍子に、シーの首につけられている赤い首輪がスルリとほどけて落ちた。

首輪とはいえ、結び付けられていただけだったのだ。