厳しい品質管理の如きチェックが終わった所で、ソフィアは鞄を手に取る。

鞄の中には学業の為の教科書、ノート、筆記用具の他に化粧ポーチが3つ、お菓子ポーチ、貴重品ポーチ。

…最近はお菓子ポーチに入れてあるお菓子のラインナップも充実し始めた。

フランス、イタリア、ドイツ辺りから取り寄せた高級菓子を、実際にソフィアの舌でチェックしてチョイスしている。

(シー先輩が気に入ってくれればいいのですけど)

甘菓子の匂いに誘われて擦り寄ってくる無邪気な黒猫の姿を思い出して、自然とソフィアの表情はほころぶ。

シーの前では困ったような顔をしていても、結局の所シーが喜んで菓子を食べる姿が見たくて仕方がない。

美に対して妥協を許さない彼女も、シーの前では甘かった。