天神学園高等部の奇怪な面々

銃口を向けられても、アスラに動揺の色は窺えない。

両手をズボンのポケットに入れ、涼やかにさえ見える視線でアリスカを見つめる。

「はて…どういった趣向かの?」

「質問するのは私よ」

普段月や啓太達に見せる事のないエージェントの顔で、アリスカはアスラを見据える。

「まだ月にしか話していない事だけど…私はロシア連邦のエージェントなの。目的はロシアの研究施設から犯罪組織にさらわれたシーの護衛…」

「知っておるよ」

一般人なら驚くべき情報を伝えられても、アスラは顔色一つ変えない。

アリスカもその事には、驚愕はしなかった。

アスラなら、もしかしたら感づいているのではないかと思っていた。

いや、もし彼がアリスカと同種の人間ならば、彼女が転校してきた時点でもう知っていたのかもしれない。