「確かに彼は、ともすればこの学園の誰よりも年長ではないかと思えるほどの落ち着きを感じさせますわね」

ソフィアが言う横で、人間の姿になったシーがサクサクとクッキーを齧っている。

例によってソフィアのお菓子ポーチから頂いた物なのだが、ソフィアは最早黙認している様子だ。

「そうよねぇ。普通なら私達の年齢なら、もっと浮ついているというか…色んなものに興味持っている年頃じゃない?部活とか、放課後に友達と遊び歩くとか」

そこで一旦言葉を切り、月はアリスカと啓太の顔を敢えて見ながら。

「恋愛とか」

「な、何で私達の顔を見る訳っ?」

アリスカと啓太が赤面しながら、わざとらしく咳払いした。