天神学園学生寮。

啓太は自室で机の前に座り、何やら難しい顔をしている。

ほぅ…とアンニュイな溜息。

頬杖をついて考えるのはアリスカの事だ。

彼女が転校してきてから数日。

友達になれるかどうかなどという心配は杞憂だったようで、彼女は平凡な啓太にも優しく接してくれる。

口をきかない日などないくらいに毎日話をして、時には…他の友人も交えてだが…昼休みに共に食事をしたり、一緒に登下校したり。

当初啓太が考えていた以上に、アリスカとは良い関係を築けつつある。