天神学園高等部の奇怪な面々

既に論じている猶予はない。

シーの辿る匂いを追って、面々は黒服二人組の後を追う。

幸いまだ遠く離れてはいないようだ。

「しかし」

走りながらアスラが呟く。

緊急事態だというのに、その顔は相変わらずの無表情だ。

「この面子でソフィアが救えると思っておるのか?戦力は実質アリスカのみじゃろう」

「そこは戦術次第よ、アスラ君」

月が答える。

「思っている以上に、いい駒が揃っているのよ。この仲間は」

「成程のぅ…」

アスラは月にしか聞こえないように言う。

「盲目でも仲間の特性は良く見えておるか…」

「!!」

見えない瞳を、月は見開く。

これまでひた隠しにしてきた事実。

月の普段の振る舞いならば、誰にもばれる事はないと思っていた。

「…そんなあなたの底知れなさも、いい駒と言える所以よ、アスラ君」

「フン…」

月は果たして気づいたかどうか。

アスラは極々僅かに笑みを浮かべた。