きになるあのこ



いろいろ面倒臭ぇ。
まぁモテんのはいい事か。

などと
さっきの事を考えながら、
教室の扉を開ける。


ガラガラガラッ


いつもと変わらず騒がしい教室。


ただいつもと違うのは、


元気のないショタ。


なぜだかは分かってる。


分かってるからこそ、
分かってない振りをする。


昔からそうしてきた。


「ショタ野郎!!眠いのかコラァ~っ」


ボーッとしていたショタは俺の声にかなり驚いたらしい。

「おわっ!びびったぁ~っ」

おもしろい顔…(笑)


「なぁんだよ、俺を幽霊みたいにぃ~」


「あっはは。悪ぃ、悪ぃ。で、どうだった?告られでもしたか?」


さっきの事を思い出す。


「あぁ、いや。言い逃げされた。」


「は?好きです!ダダダダッ!!みたいな?」


「ははっ、ちげぇよ。帰り門の前で待ってます!!的な?」

「ほぉ~ん、帰りに告られちゃう訳だぁ~。じゃ、俺今日先に帰るわな。」


いつもと変わらぬ笑顔で淡々と話すショタ。


「おぉ…サンキュー。」


こっちが暗くなっちまう。


「自分の気持ち、正直に言えよ。お前にはあのこがいるんだから…。」


この言葉に俺は一瞬動きを止める。