「それより泊まるとこはあるの?」


「え・・あ、うん! 友達の家に・・」


嘘。本当は友達なんていない。でも、泊まるとこがないなんて言ったら自意識過剰だけど、玲羅ちゃんの家に泊まらせてもらうことになってしまうかもしれないから・・。


「そっかあ、それなら良かった!」


「何か、ごめんね?」


「えー、謝られるようなことされてないよー」


玲羅ちゃんは傘をあたしに差し出した。もう一個あると言って、折りたたみ傘を見せた。あたしはもうありがとうと言って、その場から離れた。