見上げると、腰まで伸びたクリーム色の髪に大きな茶色い目をくりくりとさせながらみすぼらしいあたしを女の子が不思議そうに見下ろしていた。


「綺麗・・」

「綺麗・・」


声と言葉が重なった。


綺麗? あたしが・・・?


「あなたの方がよっぽど綺麗だよ」


女の子はそう言って、手を差し伸べてきた。あたしはTシャツで手を拭いてから女の子の手を掴んだ。


立った時気づいた事。女の子はすごく小さかった。でも、羽織っているコートについているバッジはエリート高校のバッジ・・・。


「どうしてこんな所にいるの?」


「家出・・・かな」


「えー! 家出だなんて・・なんで!?」


「親同士、仲が悪くて・・」


「そうなんだあ・・私、お父さんしかいないから良く分からないなあ」