「・・・・・・」

呆然と差し出されたハンカチを見つめる彼。・・・もしかしてキティちゃんのハンカチは嫌いなのかな。

「ごめんなさい、ハンカチ、この柄しか手元になくて」

「―――いやっそうじゃなくて、あの・・・ありがとう、ございます」

手をわたわたとさせて、キティちゃんのハンカチを受け取る黒マントくん。

「いいえ。それ、あげます」

血ってなかなか落ちないらしいし、あげた方が気が楽だ。
もう一方の手で蹲った黒マントくんを引っ張って立たせる。手から血が出ているだけで、他に外傷はない。