―――そう、これは多分この時から始まっていたんだ。 「大丈夫ですか?」 道路に蹲(うずくま)っている人に声をかける。目の前で盛大にコケた人を無視する、という程私は薄情じゃない。 「はっはい!」 ・・・例えそれが、学校全体で噂になっている全身黒マントの男であっても。 「あ、手から血が出てる」 「えっ・・・あ、ほんとだ」 私は鞄のポケットに常備してあるハンカチを彼に渡した。黒いフードでよく分からないけど、口元が痛そうに歪んだのが見えてしまったから。