極寒の体育のあと

着替えを終えて
千晴と教室に向かう。



マラソンも寒いのも
大きらい。


だけど先生みれた。

サボんなくて
良かった。


隣を歩く千晴に
肩でアタックする。


『走りながら先生みれたぁ』


にやにやする私を
千晴が笑う。


2人で
きゃっきゃしながら
歩いてると


『あ…っ』


廊下前方から
こちらに歩いてくる

担任 + 先生

を見つけてしまった。



どきんッ

先生だ…



その瞬間…

きゃっきゃしてた
雰囲気は一変


体中に緊張が走る。



千晴と話しながら


体中の神経は
歩いてくる先生に
注がれる…


どきん

どきん…


先生との距離が
どんどん近付く。


先生に

話かけて欲しい―…



そう想いながら

もう前を
見ることもできない。



自然を装いながら

不自然に千晴ばっか
見てる私…



『おい。桐山』


どきんッ

心臓が飛びはねた。



先生の隣の担任が

話かけてくれた。