すりガラス越しでも
すぐに分かっちゃう


大好きな先生の背中。



私…エスパー琴美氏です。



先生は
廊下に設置されたロッカーで
用事をしていた。



先生…

先生…


話したい…


『………』


私はゆっくりと
すりガラスをスライドさせた。


ガラスが無くなり
クリアになる先生の姿。


私の視線には気付かない。


先生の背中を堪能する。


ドキドキする…。


『…先生っ』


思いきって、声にした。


先生は
背中を向けたまま


『ん~?ちょっと待ってな…』



そう言って作業を続ける。



先生…

私って気付いてるのかな?