私の腕を掴む千晴。


『え?なんで??』


私は首をかしげた。


そんな私に千晴は恥ずかしそうにこう言った。


『付き合って言われてから…
恥ずかしくてまだ喋ってへんねん。』


『え…??』


『教室とか…恥ずかしいし喋られへん…』


『…………』


私の腕を掴んだままの千晴。


ちはる…

あんた…


中学生かっ!!


って突っ込みたくなる。

いやいや、
最近は中学生でももっと…


だけど当の千晴は
本気で本当に恥ずかしいらしい。



そんな時に千晴が言った。


『琴ちゃんかて…先生と恥ずかしいやろ?』


『………』


『うちも…同じやねん…』


長い睫毛が伏せてしまった。


いじらしくて可愛い千晴。


私のことも…
同じような気持ちで見ていてくれてたのかな…


『うん…わかるよぉ』


私は千晴の頭をナデナデした。


『一緒にがんばろぉ』


立場も関係も違うけど
恋する気持ちは一緒だね。


同級生だって

付き合えたって

大好きだから不安でいっぱいなんだ。



私の言葉に
千晴もにっこり笑った。