先生……

うそ。

先生だぁ…


でも…なんで?


予期していない展開に

目を大きくしたまま言葉を失っていると


ぴと。


先生が私のおでこに
手を当てた。


『…熱は大丈夫そうかな』


のんびり言う先生とは対称的に

私はパニック寸前だ。


だって

先生の手が

おでこに…ッ


せ…先生っ?

『あのっ…?』


いまいち状況が飲み込めてない私に先生は優しく言う。


『さっき内田千晴が俺を探しててさ。会うなり
"琴ちゃん体調悪いねん"って。』


先生は
おでこから手を離して
そのまま中指で眼鏡をさわる。


私を見て
少し笑った。


『俺、英語の先生なのにな?
やっぱ体調とか分かんないや』


首をかしげて笑う
先生の可愛い笑顔に


きゅん…




先生は私を見つめる。


『保健室も行ったんだって?
もう大丈夫かぁ?』


私は首を
ウンウンと振った。


『も…大丈夫です』