教室まで戻ると
すぐに千晴がきてくれた。


やっぱり心配
してくれてた。



こんな私を………


『っうぅ…』


堪えきれなくなった私



千晴は
少し目を大きくしたけど


なにも言わずに
ただ私の手をひいて

教室から連れ出してくれた。







中庭のベンチ。


千晴の隣で泣いた。


『ちょい待っときや』


『うぅ…』


戻ってきた千晴の手には
濡れたハンドタオルが握りしめられていた。


『これで冷やしぃ』


優しい笑顔の千晴から
受け取って目に当てる。


『…気持ちぃ』



泣いたら

それだけでちょっと
スッキリした。


ちょっと深呼吸…。


ようやく気持ちが落ち着いて…


『…サボらせてごめんね?』



私は腫れた目で
隣の千晴を見た。


『ほんまやで…
うち無断でサボったん初めてやからめっちゃドキドキしてる!どうしよ―』


本気でちょっと
オロオロしてる千晴が面白い…。


『へへへ…これで千晴もサボり仲間だぁ』


『あ…後で怒られるんかなぁ?』


『え―?そんな訳ないじゃん』


『そ…そっかぁ?』



いつの間にか
すっかり笑っている私。


千晴も笑ってくれた。


千晴は最後まで
泣いたことには触れないでいてくれた。



ただ一緒に
いっぱい笑ってくれた。